書道教育特区
全国初の「書道教育特区」により小学校書道科書道の復活をなす
〜日本書道藝術専門学校の「子ども書道教室」が契機に〜
伝統文化・芸術の学習と心の教育を目指して
平成17(2005)年、静岡県伊東市が「書道教育特区」として内閣総理大臣に認定され、平成18年より市内の小学校で「書道科書道」の授業が実現しました。
その後、書道科書道は静岡県長泉町や沖縄県那覇市でも実施され、平成20年7月、全国でこの小学校書道科書道の授業を行ってもよいと内閣総理大臣より認められました。
現在、静岡県では伊東市内全10校を含む14校で書道科書道の授業が実施されており、各小学校へ本校から講師を派遣しています。
これまでの本校の取り組みと伊東市における特区認定のあらまし、全国展開へ至る経緯について、ご紹介します。
全国初の「書道教育特区」認定
本校では平成17(2005)年より文部科学省による「放課後子ども教室推進事業」の一環として「子ども書道教室」を実施し、市内から多くの参加者を得ました。
これを契機として、伝統書道の復活を目指す本校は伊東市へと働きかけ、「構造改革制度」を利用した「書道教育特区」の申請を推し進めます。そして、平成17(2005)年11月、伊東市は内閣総理大臣より「書道教育特区」の認定を受けます。この認定により、平成18(2006)年4月より同市の南小学校が特区研究開発校となり、現行課程では3年生から国語科の「書写」として行なわれている毛筆による書道指導に加え、1・2年生の課程で「書道科」の授業が始まりました。戦後61年間途絶えていた小学校1、2年生への伝統の毛筆書道教育の復活であり、後年の我が国における書道ブームの先駆けとなりました。
南小学校へは、本校より書道師範取得者を派遣し、年間34〜35時間(週1時間程度)「書道」の授業を行っています。学習内容としては、漢数字(一、二、……十まで)の学習と、片仮名の先行学習、そして簡単な漢字を練習します。
全国展開への道のり
伊東市で全国初の「書道教育特区」としての書道科が実施された翌年の平成19(2007)年、伊東市では新たに東小学校がモデル校となり書道科が開始されました。
また、平成19(2007)年には静岡県の長泉町が、平成20年(2008)年には沖縄県の那覇市が伊東市に続き「書道教育特区」の認定を受け「書道教育特区」は徐々に広まりを見せていきます。
この間本校では、石橋智子校長の指導の下、子どもの書道教育指導法についてカリキュラムに取り入れるなど、指導者の育成に力を注いできました。
そしてついに「書道教育特区」開始から3年目を迎えた平成20(2008)年7月9日、これまでの取り組みと成果が認められ、全国展開の通達を内閣総理大臣より受けます。限られた地域の認められた学校でしか行うことができなかった「書道教育特区」は地域の限定をとかれ全国での実施が可能となったのです。
この通達により、平成20(2008)年4月からは、「書道科書道」は「教育課程特例校制度」により、文部科学大臣の指定を受けて行うこととなりました。
※「教育課程特例校制度」の詳細は文部科学省ウェブサイトをご覧ください。
書道科書道の全国への広がり
全国展開となり「書道科書道」は全国へ更なる広がりを見せています。
「書道教育特区」発祥の地となった伊東市では平成21(2009)年度より市内の全小学校10校で書道科書道が実施されています。静岡県では現在、伊東市・長泉町・裾野市における全14校で書道科書道の授業が実施されており、本校より講師を派遣しています。本校ではカリキュラムに小学校での書道教育の指導法を取り入れ指導者の養成に努めています。
静岡県外に目を向けると、北海道松前町の6小学校では全学年に書道の授業を平成22(2010)年4月より導入しています。
今後益々書道科が広まり、幼少期に書道を学ぶことで、子ども達が美しく正しい文字を書くことはもとより、伝統文化に深く興味を持ち日本人としての洗練された感性を育んでいくことを願ってやみません。
※「書道教育特区」について、福田内閣メールマガジンに掲載されました。認定校 静岡県伊東市立南小学校校長によるコメントはバックナンバーをご覧ください。
※構造改革特区については、構造改革特別区域推進本部ウェブサイトをご覧ください。
- ご連絡先
内閣官房構造改革特区推進室
- 住所
- 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-23-7 虎ノ門第23森ビル
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- 03-5521-6611(直通)
※伊東市の取り組みについては、伊東市ホームページをご覧ください。